話すことで芽生える変化
相談窓口では、深刻なセクハラやパワハラなどの相談が入ってくることがあります。
そして、その問題が深刻な人の方が、会社への報告をためらうことが多いように感じます。
それは何故か。
報告することで対象者から報復されるかもしれないという恐怖、
報告しても状況は変わらないだろうという諦め、、、。
今後も仕事を続けていくことを考えると、今より状況が悪化してしまうことを
不安に思うのは当然です。会社に対応してほしい。でも、報告する決心がつかない。
相談者自身が一番もどかしくて辛いのでしょう。
このような時、私たち外部窓口の相談員の必要性をより感じます。
相談員は、相談者の状況やお気持ちなどをじっくりゆっくりお聴きしながら、
今、何が起きていて、どんなことに困っているのかを一緒に整理していきます。
そして、具体的にこの先どうしていけば状況が少しでも改善されそうか、
また、どういうふうにすれば相談者の不安が減るのかを一緒に考えます。
すると、最初は「わからない」「どうせ何しても無理」としか発しなかった相談者にも、
「こうしてもらえたら、、、」という策が見つかることもあります。
そして最初は匿名を希望していたけれど、実名を出して報告する決心がつく相談者も多いです。
自分一人で抱えていた問題、それを人に話すという行為によって、
相談者の中で止まっていた状況に変化が芽生えたのではないでしょうか。
相談者は、話しながらも様々に気持ちが揺れ動きます。
相談員は、その気持ちの揺れに寄り添いながら、
相談者が何らかの答えを見出すことができるよう、伴走します。