時を経てからの相談

相談窓口では、最近起きた出来事について話す方が多いです。
出来事の直後に、怒りにまかせて電話をかけてくる方もいます。
ですが、かなり前に起きた出来事について話す方もいます。

「報復が怖くて今まで言い出せなかった」
「ハラスメント研修を受けて、改めてあの出来事はハラスメントなんだと感じた」

といった理由でのお電話もあります。
ですが、なかには「なぜ、今になって」なのか、明確な理由が感じられないケースもあります。
そうした方は、あまり感情を露わにすることなく、淡々と話すことが多いように感じます。
 
6~7年前、教育担当者から執拗に叱責され、殴られた。
上司がその現場を見ていたので、教育担当者から簡単な謝罪があり、
一応、和解ということになった―――
そう話した方は、「形式だけの謝罪に和解するしかなかった」と感じ、
「この出来事に対して会社は何もしてくれなかった」と受け止めている様子でした。
出来事そのものだけでなく、「会社として対応してくれなかった」ということも、
「嫌な出来事」として心に刻まれてしまったようです。
そして、「嫌な出来事」を意識しなくてもいい心の領域、
いわゆる「無意識」に押し込めた、、、ですが、無意識に押し込めた感情は強ければ強いほど、
ふとした瞬間に「意識」にのぼってくるようです。
ふと、「意識」にのぼってきた時、お電話くださった。
そう思うと、感情を露わにすることはなくても、
押し込めてきたその感情はまだ強くくすぶっているのかもしれない…そう感じます。

現場だけでの対応では、その時は収まったように感じても、時を経て、
またその時の感情が沸き上がってくることもあるのではないかと感じます。
問題が起きた時、感情が沸き上がった時、まずは窓口に相談してみてはいかがでしょうか。

① きっとそれは、「嫌な出来事」から解放される方策の1つになるでしょう。
② そうすることで、感情をくすぶらせることなく時を過ごせるかもしれません。