「先入観」なしで話を聴く
「静かないじめなんです」電話がつながるなり、唐突につぶやいた方が
いました。
相談員:「静かないじめ、、、ですか・・・」
相談者:「はい、、、」
そして、職場の人間関係の悩みを話し始めました。
同僚の女性から、他の人には分からないように相談者の業務をやりづ
らくされる、という嫌がらせです。同僚は人前で怒鳴るわけでもない
し、仲間外れにするわけでもありません。でも、相談者と同僚にしか
わからない業務上のことに限って嫌がらせをしてくるそうです。
相談者自身も初めは気付かなかったそうですが、あまりに不自然な
ほど、周囲からは相談者のミスと思われてしまう事態が重なり、、
相談者は記録をつけて慎重になっていたところ、同僚の言葉による
ミスの誘発に気付いたそうです。
相談者は上司に相談しました。ですが、
「彼女(同僚)は評判のいい子だし、君(相談者)ともうまくい
っているよね?勘違いじゃないの」と、聞く耳を持ってもらえま
せんでした。
相談者が言っていることが本当なのか、同僚の行為が確信を持
ったいじめなのかどうかは、相談員が判断できることではありま
せん。ですが、どのような相談であれ、先入観を持つことなく相
談者の声に耳を傾けられるは、外部窓口ならではなのかと思いま
す。まずは、相談者の訴えを受け止めます。それは、相談者にと
っては、問題の解決よりもまず、
「状況を分かってくれる人がいる」
と感じることで救われる場合があるからです。それによって、
自己解決に向けた勇気や元気、知恵や工夫が湧いてくることも
あります。
ハラスメント研修が行われるようになり、パワハラ6類型を知
っている人も多くなりました。とはいえ、あからさまに6類
型に当てはまらない嫌がらせも存在します。そんな嫌がらせが、
職場での働きづらさの要因の1つになる場合もあります。
「パワハラではないから、、、」と自己判定せず、まずは、
今、困っている状況について話してみませんか?誰かに話す
ことで、自分自身の考えが整理されることもあります。
相談員は、あなたにとって働きやすい環境を、あなたと一
緒に、考えていきたいと思っています。