「聞く」ことができる職場環境作り (パート1)
相談をお受けしていると、職場のコミュニケーションとして
「聞く(=質問する)」ことが出来ていたら・・・
と感じることがあります。新人のAさんは、上司から「これやっ
といて」と言われると「承知しました」と答えます。ところが、
しばらくしても取りかかろうとしません。見かねた先輩が「大
丈夫なの?」と声をかけますが、「大丈夫です」と答えてしま
う。上司は、期日前日になって、Aさんから質問も経過報告も
ないことに気が付き、Aさんに確認したところ、まったくの手
つかずの状況であることが分かりました。上司は慌てて他の人
たちに振り分けて、なんとか間に合わせることができました。
上記のような出来事や類似するような出来事、経験した方は沢
山いらっしゃるのではないでしょうか。
「パワハラだ」とおっしゃる相談者の話をよくお聴きすると、
「教えてくれないから出来ないのに、怒られた」「教え方が悪
いから出来なかっただけなのに、怒られた」と訴える方もいら
っしゃいます。そして、「意地悪されている」「辞めたい」と
おっしゃるのです。その背景には、「丁寧に教えてくれるのが
当たり前」という考えがあるように思います。そして、自分か
ら調べる、質問してみる、「わからないので教えてください」
といった声を出す、といった自分発信の行動を起こした人はあ
まりいません。
では、上司はどうでしょうか。「質問してこない=わかってい
る」と思い込んでいるのではないでしょうか。そのため、仕事
を頼んだあとは自分の仕事に専念してしまう。その様子が、
「忙しそうだから質問できない」という雰囲気を醸し出してい
るのかもしれません。
(パート2)へつづく