「聞く」ことができる職場環境作り (パート2)
この両者の隔たりを埋めるのは難しいものです。新人側は「パ
ワハラだ」、上司側は「やる気がない」「報連相が出来ない」
と、お互いが相手を責める考えに固執しがちです。ですが、お
互いに「聞く(=質問する)」ことが出来ていれば・・・、この
ような事態には陥らなかったのではないでしょうか。
こうした事態は、新入社員に限ったことではありません。異動
や出向で、新しい職場に赴任したときにも起きうる出来事です。
特に、年齢やキャリアを重ねた人ほど、「今さら聞きにくい」
と感じたり、「迷惑をかけてはいけない」と思ったりするでし
ょう。また、「一人じゃ何も出来ない奴」「使えない奴」と思
われたくない、という思いもあるかもしれません。ですが、一
人で抱え込んでしまうことのほうが、リスクの高い行為といえ
ます。本当に自立している人というのは、「迷惑をかけない人
」ではなく、「困ったときに助けを求めることが出来る人」と
聞いたことがあります。このことを、職場での共通認識とする
ことが出来たら・・・、「聞く(=質問する)」ことの心理的ハ
ードルが下がるのではないかと感じます。
そして、上司側にも、「聞きたいことはないか」「何か困って
いることはないか」といった声をかけるなどの歩み寄りがあれ
ば、なおさら素直に、自然に、「聞く(=質問する)」ことが
出来るのではないでしょうか。「質問してこない=わかってい
る」という思い込みをいったん捨ててみる、といったことも
必要でしょう。。
今、職場に「聞く(=質問する)」という慣習が「風土」と
して根付いていないとしても、「文化」として作り上げていく
ことは出来るのではないかと感じます。
「風土」は性格、「文化」は価値観、とも言われます。性格
を変えることは難しくとも、価値観というものは時代に合わ
せてどんどん変化していくものです。とはいえ、自然発生的
には「文化」にまで至らないことでしょう。「文化」を作り
上げていくには、相談者の声が必要なのかもしれません。
素直に、自然に、当たり前のこととして、「聞く(=質問す
る)」ことが出来る職場環境・・・、そうした「文化」を作り
上げていく一助になれば・・・、そう思いながら、相談をお受
けしています。