カスタマーハラスメント(カスハラ)対策について

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策に向けて動き始めた企
業が増えてきたようです。頑張り過ぎる性格の人は「これくらい
のことは自分だけで解決しなくては」と誰にも相談出来ずに我慢
してしまう傾向があるようです。中には、カスハラによるメンタ
ル不調に陥り、結局は退職してしまうという方もいらっしゃるよ
うです。仕事を辞めようと考える前に、まずは勇気を出して上司
に相談してみるのはどうでしょうか。

2022年2月、厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マ
ニュアル」(※1)を発表し、企業としての対策強化を行うよう
推進してきました。企業は従業員を守るだけではなく、企業の資
産、時間の損失や生産力の低下等を避けるためにもカスタマーハ
ラスメント対策を進めることが求められています。

「カスハラ対応中に上司が取り合ってくれない」、「カスハラ対
応で困っているのに誰も助けてくれない」というのもよくあるケ
ースです。前述の厚生労働省のマニュアルで紹介されていますが、
保護者から苦情を受けた市立小学校の教諭に対し、その場を穏便
に収めるためだけに(事実関係を冷静に判断し的確な対応をせず)
保護者に謝罪するよう求めた校長の行為が違法だと判断された判
例もあります。

カスハラ対応は誰にとっても想定外のものです。カスハラの記録
を残し、適切に対応する知識と心得を共有し、対応フローを準備
することにより、誰もが安心して働ける職場を目指すのが大切だ
と思います。従業員の働きやすさが生産力の向上、そして企業全
体の成長につながっていくのではないでしょうか。

(※)「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」について
の詳細は、
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf
をご参照ください。