「大きな決断」をするタイミング
全国の都道府県労働局がまとめた令和5年度個別労働紛争
解決制度(民事上の個別紛争)の相談において、一部の労働
局では「自己都合退職」が「いじめ・嫌がらせ」を逆転し、
最も多くなっていることが明らかになりました。
退職や転職は、人生の大きな分岐点となります。しかし、
一般的に抑うつ状態等、精神状態が安定していない時期には、
「人生に影響するような大きな決断をしない」ことが心のケ
ア・セルフケアのポイントだとされています。
「考えがまとまらない」、「どうしたらいいかわからない」、
「とにかく今の状況から逃げ出したい」など、思考力や決断
力が低下している状態で導く結論は、大きなリスクを含んで
いることが多いからです。「大決断」を実行し、後悔し「何
をやってもダメだ」という自責の念が高まるリスクもあります。
自己都合退職を決断する前に「今の会社の長所、短所」、
「なぜ辞めたい(転職したい)のだろうか」、「条件面はど
うか」、「自分は何を求めているのか」、「辞める(転職す
る)前にまだやれることはないか」など、多方面から総合的
に考えることが理想的です。気持ちが沈んでいる時にはネガ
ティブな思考で心が埋め尽くされており、なかなか「多方面
から総合的」に考える余裕などないかもしれません。結果的
に、転職するにしても、新しい環境へ適応していくことは、
体力的にもメンタル的にも何かしらの心のエネルギーが必要
となるのです。
自分自身で「精神状態が安定していないな・・・」と感じる時
には「大きな決断」は保留とし、、十分な睡眠を取る、心情を
話せる相手を見つけるなどしながら、心の蓄積エネルギーレ
ベルが上昇するのを待ってみてもいいかもしれません。
それからでも「大きな決断」をするのは遅くはないはずです。