職場の風通し、良いですか? (パート②)

今回は「風通しの良い職場の作り方」について考えてみたい
と思います。

「風通しが良い環境」というのは、一般的には、以下のような
特徴があるとされています。
①コミュニケーションが活発
②問題や課題が早期に発見される
③少数意見にも耳を傾けている
④チームワークが強い
⑤透明な意思決定
一方で、風通しが悪い職場にはこれらの逆の特性が見られます。

 実際に発生した事例を考察してみましょう。
「雑談禁止!(または、雑談する人は評価が下がる)職場」
チーフのCさんがいたその職場は、仕事中でも適度に家庭
の話や趣味の話などの会話があり和気あいあいとした職場
でした。
その後上司が変わると、その上司は全くしゃべらない人で、
業務連絡は例え目の前にいる人にでも、すべてメールでや
り取りをするようになりました。そしてまったく会話がな
くなり、いつも無言の静かな部屋にパソコンを打つ音だけ
が響くような職場に一転したのです。適度な雑談こそが組
織活性化のカギだと考えて立ち振る舞ったAさんは、「雑
談」を理由に評価を下げられることになりました。
次第に、社員同士はよそよそしくなり、上司や周囲への不
平不満が陰でつぶやかれるような、不信感に満ちた職場に
なっていきました。

職場には多様な生き方や考え方、価値観を持つ人々が集ま
ります。そのため、先に述べた「雑談」に関しても、良し
悪しを一概に判断することは難しいと言えます。
では、冒頭で触れた風通しの良い職場を実現するために、
具体的にどのような施策が考えられるでしょうか。
最も効果的とされるのは、チーム内のミーティングで全員
が発言する機会を持つことです。異なる意見が存在するこ
とがあっても、「多数決」で一方的に決定するのではなく、
少数意見にも耳を傾け、まずは互いに意見の違いがあること
を認めること。そして、意見の相違をできるだけ小さくする
ために、活発に議論することが大切です。
実際にこの職場では、こうした話し合いを経て「集中タイ
ム」を設け、その時間内は雑談を禁止するという方針を採
用し、上司とメンバーの意見を調整することで、落ち着い
た環境を実現したようです。

 職場の風通しに関してお悩みの方や、課題を感じているも
のの具体的な改善策が見つからない方は、ぜひハラスメント
窓口にそのお気持ちをお伝えしてみてはいかがでしょうか。