ハラスメントとマイクロアグレッション:職場における見えにくい課題

「○○と言われたけど、これってハラスメントじゃないの
?」
「○○がそんなに不快だとは思わなかった。特に悪気はな
かったんだけど。」
あなたの職場でも、こんなことが起こっていませんか?

「受け手が」そう感じたらハラスメントだと言われるこ
とが多いですが、受け手の主観だけでパワハラかどうか
を判断するのは正しくありません。
この判断に当たって厚生労働省は、「平均的な労働者の
感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた
場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できな
い程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどう
か」を基準とすることが適当」という見解を示していま
す。

とはいえ、悪気がなくても実際に受け手が不快に感じ、
心身に大きな負担を抱えることがあるなら、企業とし
て何らかの対策を講じる必要があるかもしれません。
本日お話しするマイクロアグレッションについての理
解を深めることが、その手がかりになるかもしれませ
ん。

現代の職場では、ハラスメントとマイクロアグレッシ
ョンが重要な問題として取り上げられています。
これらは人間関係を悪化させ、働く人々のメンタルヘ
ルスや職場環境に悪影響を及ぼす要因となることがあ
ります。では、これらの違いとその影響について詳し
く見ていきましょう。

ハラスメントとは
ハラスメントは、いじめや嫌がらせなど業務上必要な範
囲を超え人格を否定する言動を指します。例えば、上司
からの過剰な叱責や同僚からの陰口、性的な嫌がらせな
どが含まれます。これらは意図的であり、被害者に深刻
なストレスを与えることが多いです。

マイクロアグレッションとは
一方で、マイクロアグレッションは無意識の偏見や無神
経な言動から生じる、より微妙な差別(から生じる加害
者性)や攻撃を指します。例えば、「女性なのに仕事が
できるね」という発言や、外国人社員に「日本語が上手
ですね」と何度も言うことが該当します。
一見無害に思えるこれらの言動は、受け手に疎外感や不
快感を与え、職場の心理的安全性を損なうことがありま
す。

影響と対策
これらの行動は、受け手にストレスや不安をもたらすだ
けでなく、チームのパフォーマンスの低下や離職率の増
加を引き起こします。特にマイクロアグレッションは無
意識に行われるため、指摘が難しいという課題がありま
す。対策としては、まず組織全体での教育が不可欠です。
ハラスメントとマイクロアグレッションの違いを理解し、
具体的な事例を共有することで、意識を高めることがで
きます。また、職場内でのオープンなコミュニケーショ
ンを促進し、誰もが安心して意見を述べられる環境を整
えることが重要です。職場は多様な人々が共に働く場所
ですので、ハラスメントとマイクロアグレッションにつ
いての理解を深めることは、より良い職場環境を作るた
めの第一歩となります。
あなたの行動が、職場の文化を変える力を持っているの
です。