「実名」で、ハラスメント相談を受領したら・・・
ハラスメント相談窓口には多様な相談が寄せられますが、
その対応は相談者の希望に応じて異なります。
例えば、匿名で「ただ話を聞いてほしい」との要望があ
った場合、相談窓口は相談者の気持ちに寄り添い、話を
伺うことに専念します。
一方で、「全体の意識を向上させるために研修を実施し
てほしい」との要望があった場合には、その旨を会社の
担当者に伝えることになります。
本稿では、相談者が実名で相談し、会社に対して具体的
な事後対応を求めた際の留意点についてお伝えします。
実名の相談で会社に明確に事後対応を求めた際には、必ず
相談者に対して受領の確認を行い、今後の対応についての
概要を説明することが求められます。
このプロセスによって、相談者の不安を軽減することがで
きます。また、ハラスメント担当者のその後の行動が従業
員の会社に対する信頼関係の構築に寄与します。
ヒアリング調査の標準的な手順は、
まず、①相談者からのヒアリングを実施し、次に②客観的
な情報を収集し、③相談内容を詳細に精査・検討します。
その後④関係者へのヒアリングを行い、⑤収集した情報を
整理し、最後に⑥対象者に対してヒアリングを行うという
流れになります。
ヒアリングを行う際の留意点としては、相手に寄り添い、
丁寧に話を受け止める姿勢が重要であることは言うまで
もありませんが、ヒアリングを実施する際には他者に聞
かれない(見られない)場所で、そして基本的には所定
の労働時間内に行うことが求められます。また、対象者
を含むヒアリングに協力してくれた全ての従業員に対し
て感謝の意を表することも忘れないようにしましょう。
調査の結果に応じて、関係者に対する処罰等を決定する
ための委員会を開催すると同時に再発防止のための対策
を検討します。そして最終的に、相談者が納得する説明
を行うことが重要なポイントです。