会社でされて嬉しかったこと
最近、ハラスメントに関する話題では「してはいけない
こと」にばかり目が向きがちです。でも、「されて嬉し
かったこと」に目を向けてみたら、きっと誰かの参考に
なったり、やさしさの連鎖が生まれるかもしれません。
本稿では、私がこれまでに職場でしてもらって心があた
たかくなったことを、いくつかご紹介します。
体調不良で欠席したとき、普段あまり接点のない、席
も離れた部長さんがわざわざ私の席まで来て
「昨日お休みされていましたが、体調はもう大丈夫です
か?」と声をかけてくれたこと。
初めて担当する業務に不安を感じて「難しそうです」と
口にしたとき、上司がこう言ってくれたこと。
「メンバーの失敗は、上司である自分の責任。だから何
も心配しないで、君は最善を尽くしてくれればそれでい
いよ」
仕事で困っていることを上司に相談したところ、
「今すぐ対応するのは難しいけれど、来年の3月までに
必ず対応するから、信じて待っていてほしい」と言って
もらい、実際にそのとおり対応してもらえたこと。
尊敬していた上司は、話しかけに行くと必ず立ち上がっ
って、話を聞いてくれたこと。
その後、異動で新しく着任した上司も同じように立ち上
がって応対してくれた。聴けば、その上司はかつて尊敬
していた上司のもとで働いており、「あんな上司になり
たい」と思って真似をしているのだという。
ハラスメントに関する発信は、「~してはいけない」とい
った禁止のメッセージになりがちです。でも、こんなふう
に「されてうれしかったこと」を誰かに伝えたり、同じよ
うに自分が誰かにしていくことも、ハラスメントの防止に
つながるのではないでしょうか。