「面倒な人」に関わり合わない組織風土

いつも職場で仕事中にコソコソ誰かの悪口を言ってるAさん。
注意すべき立場にいる上司Bさんも一緒になって誰かの悪口を
言っている。この2人は社内で「面倒な人」という位置付けにな
っており、誰も声をあげない。みんな「関わり合いたくない」と
思っている。みんながみんなそれで良ければ、
「こういうものだ」という慣れが生じる。

しかしそこに新たな人が入社すると、当然その光景には違和感
を覚える。実際に最近入社したYさんは苛立ちを覚え、休憩中に
「仕事中のAさんとBさんのこそこそ話、気になりませんか。
誰の悪口だか分からないけどとても気分が悪い」
と正直にその思いを言葉に出した。

するとそこにいた職員さんはみんな、
「そうだね。確かに気分悪いね。あなたがそれを上層部に相談す
れば対応してもらえるかもしれないから相談してみるといいよ」
と応答した。
「みんな思っても声をあげないのだ」と思いつつ、誰にどのよう
に相談すべきかと考えていたところ、後日先輩に呼ばれた。

「Aさんが、『Yさんに悪口を言われて傷ついた』と大騒ぎしてる
らしいよ。Aさんの言動に問題があることはみんな分かっているけ
ど、関わり合うとろくなことが起きない。精神的にも疲弊する。低
い次元の人とは同じ土俵に立たずに聞き流して何もしないのが一
番だよ」と忠告された。

そういうものかと思い、Yさんは声をあがるのを止めた。しかし、
結局、Aさんと上司Bさんのコソコソ悪口とそれを放置している組
織風土に耐えかねて、退職した。

これは最近、ある職場でおきた実話です。

みんなが思う「面倒な人」。みんなが不快で職場風土を乱してはい
るけれど、直接的な被害が生じているわけではないので声をあげに
くいという側面もあります。

これに対し会社は、どのような体制でどのように対処していくこと
が望ましいのか。一番大事にしたい視点は、『どのような人材を守
ることが会社の利益につながるのか』という視点であろうと思います。
そうすると、現状で面倒を起こし大勢に不快感を与えている人物に
対して、相応の注意指導、改善しない場合の配置変更等も含め、
厳正に対処することは必然的な流れとなりますが、往々にして日本
企業では、ことなかれ主義に走る傾向があります。

その職場のみんながそれでいいならそれでもいいと思います。
けれどもその結果、有能な人材が流出することとなれば、ことなか
れ主義には、早い段階で限界が訪れるのではないでしょうか。

ちょっとした違和感を早い段階で話せること、誰もが声をあげやす
い環境であればこそ、みんなが見られているという一定の緊張感の
元で職務に就くこと、おかしなことが起きている時に会社の対応を
見て、ちゃんとやってくれたという安心感を持つこと、この繰り返
しにより、組織の風土は浄化され維持されていくのだろうと思いま
す。

私たちクラージュラインは、組織風土の浄化、維持に向け
貢献していきたいと考えています。