「同調圧力」加害者となってしまった人の心の声
「同僚が上司からパワハラを受けている。助けてあげてほしい」そんな訴えを話した相談者がいました。パワハラの場合、当事者ではなく、第三者から相談を受けることもあります。「見ていられない」「許されるべきことではない」といった第三者の視点、正義感からの相談もあります。相談員として、それはとても良い風潮だと、...
「同僚が上司からパワハラを受けている。助けてあげてほしい」そんな訴えを話した相談者がいました。パワハラの場合、当事者ではなく、第三者から相談を受けることもあります。「見ていられない」「許されるべきことではない」といった第三者の視点、正義感からの相談もあります。相談員として、それはとても良い風潮だと、...
「静かないじめなんです」電話がつながるなり、唐突につぶやいた方がいました。相談員:「静かないじめ、、、ですか・・・」相談者:「はい、、、」そして、職場の人間関係の悩みを話し始めました。 同僚の女性から、他の人には分からないように相談者の業務をやりづらくされる、という嫌がらせです。同僚は人前で怒鳴るわ...
相談員としても、日常生活の中でも、一緒に働く人を「使える」という言葉で表現する人に違和感を覚えることがあります。例えば「今度の新人、コミュ力ないけどデータ入力は早いから使える」「新しい上司、仕事は遅いけどクレーム対応がうまいから使える」という発言です。これらの発言をする人には共通して「自分の話ばか...
アンコンシャス・バイアス・・・という言葉、聞いたことはありますか?心理学の概念である「認知バイアス」の一つで、無意識の偏見や思い込みから偏ったモノの見方をしてしまうことです。「無意識バイアス」「潜在的ステレオタイプ」とも呼ばれます。例えば、血液型を聞いて「きっとこんな人」と思ってしまう、それから、...
ハラスメントの相談をお受けしていると、「眠れない」と訴える方が多数いらっしゃいます。睡眠をしっかりとることは、ストレス要因解消の一助にもなりますし、免疫力アップの対策としても重要なポイントです。“眠る”・・・それは、生きる上で欠かすことのできない本能的な欲求でしょう。食事は栄養剤や薬などで代用する...
先日友人からこのような話を聞きました。その友人の職場には、いつも職場の人の悪口を言う女性社員がいるそうです。様々な雇用形態の人が働く職場で曜日によって出勤者が異なるようで、その女性社員は、いつもその場にいない人の悪口を言っています。だからその女性社員はみんなにとても嫌われています。「ああいう面倒な人...
実際に相談が入った場合、会社の担当者としてどのような対応をすればよいのか戸惑ってしまうのも無理からぬことかと思います。ハラスメント対応に特化した部署であればまだしも、他業務と並行してハラスメント対応を担っている場合には、さらにハードルが高いことだと感じます。とはいえ、会社には、職場環境配慮義務があり...
こんな相談がありました。数年前、上司からのパワハラがあり、当時社内に設けられていた「ハラスメント相談窓口」に相談したそうです。この時は上司の名前を出さずに。翌日、担当者が訪ねてきたそうですが、相談者の話を聞いただけで、上司の名前を聞かれることもなく、特に何の対応もなかった。状況は変わらず、、、相談者...
こびりつきは力では落とせない。それより丁寧に、丁寧に、温めながら拭き取るハラスメント被害者は、相談をためらってしまうものです。ですが、「もっと早く相談すればよかった…」、この思いは、相談者だけでなく、周囲の人も抱いている思いではないでしょうか。 相談者は、課長や周囲の人のフォローがあったからこそ、か...
その後も主任の言動は変わらず、、、主任補になった相談者は、本来、主任が行うべき業務まで丸投げされていたそうです。「自分が主任の期待に応える仕事をすれば、主任も変わってくれるだろう」、相談者はそう思い、主任の暴言に耐えながら頑張ってきました。周囲も、そんな相談者を心配し、様々なフォローをしてくれたそう...
「もっと早く相談すればよかった…」そう呟いた相談者がいました。10数年前に入社した相談者は、入社当初から、主任の言動が高圧的でパワハラなのではないかと感じていたそうです。主任はそもそも気性が荒い性格で、プライドが高く自分の非は認めない、乱暴な言葉を発するタイプだそうです。そして相談者に対する言動が特...
こびりついた汚れ、、、ついつい力任せにこすってしまいますよね。ですが、こびりつきは力では落とせない。それより丁寧に、丁寧に、温めながら拭き取る方が効果的。温められたこびりつきは、やがて柔らかくなり、そして徐々に徐々に、、、薄くなり、ほぐれていく。稀に、持論に凝り固まった相談者がいらっしゃいます。そう...
時間を意識して手早く済ませようとすると、かえって汚れが広がることがある。手早く、、、それは、“雑”になってしまうことにもつながる。雑に扱われた素材は、汚れを拭い去ることを許さない。手早く、よりも、ゆっくりゆっくり拭くほうが、むしろ早く素材がきれいになる。相談員も、話が冗長になった時には終結に持ってい...
ある施設の清掃業務をしている知人から、こんな話を聞きました。お掃除のコツ。① 汚れに「目線を合わす」② 焦らずに「ゆっくりと」③ こびりついた汚れほど「丁寧に」 この話を聞き、私たち相談員の仕事にも共通する考えだと感じました。 ① 「目線を合わす」自分の立ち位置から見ているだけでは、目立つ汚れは落と...
いつも職場で仕事中にコソコソ誰かの悪口を言ってるAさん。注意すべき立場にいる上司Bさんも一緒になって誰かの悪口を言っている。この2人は社内で「面倒な人」という位置付けになっており、誰も声をあげない。みんな「関わり合いたくない」と思っている。みんながみんなそれで良ければ、「こういうものだ」という慣れが...
国交省は、タクシーやバスなど旅客自動車運送事業者の運転者証に関する省令を改正し、乗客側から氏名や顔写真がみえない様式に変更するとしました。一部の乗客が車内に掲示する運転者証を無断で撮影し、SNSで公開するなどのカスタマーハラスメント問題を受けてのもの。運転者のプライバシーや安全を確保して働きやすい環...
以前、某アイドル事務所に所属していた男性が、当時の社長で4年前に亡くなった同社代表に性的な行為を受けていたと会見で述べました。 その後この問題をマスコミ各社が大きく報じないことについて批判が集まっているようです。 そこで考えてみます。報道は本当に必要なのか・・・? もし会見等で述べられた内容が事実で...
2024年春の大学卒業予定者の採用に向けた広報活動がスタートしました。そんな中、気を付けたいのが学生に対する「就活ハラスメント」です。 厚労省の調査によると、2017~19年に新卒で就職活動をした人のなかで、「就活ハラスメントを受けた」と回答した人の割合は4人に1人に上ってます。就活ハラスメントは、...
前回、有限会社春華堂の採用サイトについてご紹介しました。従業員自らが考える機会を持ち、互いに言葉を交わし、「わたしたちは何を大切にしているのか」を自らの言葉で定義づけていくことは、組織として一体感を持つ上で非常に有効で、素晴らしい取り組みだと感じています。 当社が提供しているサービスに、実はこれと...
「入社前に抱いていた期待と現実のはざまでショックを感じる」このような相談を受ける機会が時々あります。「3年3割問題」(新卒採用で獲得した大卒人材が3年以内に3割辞める)、と言われる若年層の早期離職をどう防ぐのか・・・。これについては、採用段階でマイナス面も含めて正しい情報を伝えることが重要と言われて...
相談窓口では、ハラスメントによってメンタルに不調をきたし、「朝起き上がれない」「涙が止まらない」「まともに仕事ができない」といった症状を訴える方もいます。そうした症状によって初めて、「自分は精神的に参っている」ということを自覚するようです。そして、「周囲に迷惑をかけている」と考え、「何もしない、でき...
相談窓口にお電話下さる方の多くは、通話の冒頭で「ハラスメントにあたるか分からないですが・・・」と切り出します。そしてその状況、例えば「胸ぐらをつかまれて罵声を浴びた」「後ろから突然蹴られた」といった、身体的暴力を伴うような話をする方もいます。 身体的暴力がありながらも、「ハラスメントなのでしょうか…...
相談をお受けしていると、「労基署」というキーワードが出てくることがあります。それは10年以上前からしばしば出てくるキーワードでしたが、使われ方が変わってきたと感じます。 以前は、「会社が対応しないなら、労基署に行こうと思っている」と言う方がほとんどでした。その心理としては、言葉通り「対応してくれない...
相談者の「思い」を受け止め、報告内容がなんとなくまとまってきたら、次は「5W1H」につながる具体的な内容、不足している情報を確認します。とはいえ、「5W1H」だけを尋ねると、尋問のようになってしまい、相談者の心は相談員から離れ、最悪の事態としては電話を切られてしまうかもしれません。そのため、自然な流...
相談窓口では、受けた相談内容を報告書にして会社に届けます。報告書では、要点や事実だけを記載するのではなく、相談者の「思い」もそのまま伝わるように心がけています。とはいえ、会社にとっては、まずは「何が起きているのか」が欲しい情報かと考えます。 「いつ」「どこで」「何が」、いわゆる「5W1H」、そうした...
子どもの保育園への送り迎え、子どもの発熱による遅刻や早退、、、そうしたことが、職場ではしばしば問題になるようです。相談窓口には、子育て中の人から「迷惑をかけているとは思うけど、どうしたらいいのか」といった相談を受けることがあります。また、子育て中の人の言動に対して、同僚や上司からの相談もあります。さ...
セカンドハラスメント:ハラスメント被害を受けた従業員が、相談をしたことによって再度、二次的に傷つく被害のこと。相談したことによって二度目の被害を受けてしまったとしたら、相談者の傷がさらに深くなるだけでなく、場合によっては担当者に問題あり、とされてしまってもしかたありません。 相談窓口では、セカンドハ...
相談窓口では、さまざまな人からのお電話をお受けします。ハラスメントを受けた理不尽な思いをぶつけてくる人、ハラスメントによってメンタルの問題を抱えたが生活があるので辞められないという人、、、ハラスメントを受けたことによるつらい心情を訴える相談者は、電話の向こうの温かいぬくもりが感じられるような「生身の...
「これってハラスメントですよね?」「どう思いますか?」 相談窓口では、このような質問を受けることがあります。相談員は、相談者の思いを会社にお伝えするのが役目であり、事象について判断をすることはありません。こうした質問の裏にある相談者の不安や、「きっとハラスメントだろう」という考えを受け止め、どういう...
インシデントーーー実際には事故には繋がらなかったが、重大事故に至る可能性がある潜在的事象。1件の重大事故があれば、その背後に29件の軽度の事故があり、300件のインシデントが潜んでいると言われています。 ハインリッヒの法則ですよね。 この法則に基づいて、不安全行動や不安全状態をなくすことによって、重...
職場におけるパワーハラスメントの定義が明文化されて10年が経ちました。相談窓口に寄せられるパワハラの相談も日々多くなり、内容も多岐にわたっています。時には、被害者本人からではなく、その様子を見かねた同僚の方、家族の方からのご相談もあります。 パワハラの相談を受けていて感じること、、、被害者は心身と...
相談窓口では、最近起きた出来事について話す方が多いです。出来事の直後に、怒りにまかせて電話をかけてくる方もいます。ですが、かなり前に起きた出来事について話す方もいます。 「報復が怖くて今まで言い出せなかった」「ハラスメント研修を受けて、改めてあの出来事はハラスメントなんだと感じた」 といった理由での...
相談窓口では、言葉による暴力だけでなく、威圧的な態度や舌打ちいった相手の行動にも傷つく、という相談を受けることもあります。例えば、「ありがとう」という言葉、これを足や腕を組み、イラついた仕草で伝えたら・・・相手にとって「ありがとう」という言葉本来が持つ好意的な意味として伝わるでしょうか。舌打ちや、常...
先日、こんな話を聴きました。入社してまだ数か月の方です。先輩からの指摘が強すぎて少々凹みながらも職務を全うしようという気概に溢れ、出社時間がどんどん早くなっています。自主的ではあるものの、拘束時間が長いことに少々不満もあります。その愚痴を同僚に吐いていたところ、上司の耳に入りました。上司はその方との...
昨今、部下を持つ方々から「指導していただけなのに、パワハラだと訴えられた」といった相談のお電話を受けることが多くなりました。 「少し厳しく注意したら、次の日から会社に来なくなった」といったような経験をされたことはないでしょうか?社会経験が浅い場合、厳しく注意されることに不慣れな人が少なくありません...
窓口で相談をお聴きしていると、相談者自らの“受け取り方のクセ”によって苦しんでいるのではないかと感じる時があります。 例えば、上司から「マイペースだよね」と言われたとします。「ミスをしない」ということを信条に、じっくりと仕事に取り組んでいるだけなのに、、、「仕事が遅い」と非難されたかのように感じてし...
相談窓口では、深刻なセクハラやパワハラなどの相談が入ってくることがあります。そして、その問題が深刻な人の方が、会社への報告をためらうことが多いように感じます。 それは何故か。 報告することで対象者から報復されるかもしれないという恐怖、報告しても状況は変わらないだろうという諦め、、、。今後も仕事を続け...
心と体の性別が異なるトランスジェンダーの会社員がうつ病を発症したのは、先輩社員からの性自認を侮辱する言動(SOGIハラ)が原因として、神奈川県内の労働基準監督署が労災認定を行っていたという報道がなされました。勤務先の会社は先輩社員に対して言動を改めるよう指導しましたが、その後も同様の言動が続いていた...
人間関係についての話をお聴きしていると、「お互いの理解がもう少しあれば違ったのではないな」と感じることがよくあります。上司が部下に注意する場合でも、日頃のコミュニケーションがあれば発信の仕方も受け取り方も違うものになるのではないかと感じます。部下のとの日頃のコミュニケーションがあれば、「あの人は“誉...
厚労省が、新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表しました。それによると、就職後3年以内の離職率は、以下の通りとなっています。◆「新規学卒就職者の就職後3年以内離職率」 ( )内は前年比増減【中学】 57.8% (+2.8P) 【高校】 35.9% (▲1.0P)【短大等】 41.9%...
厚生労働省は、「令和4年版過労死等防止対策白書」を公表しました。情報通信業での労災認定要因は、セクシュアルハラスメントがめだっています。「心理的負荷による精神障害の認定基準」が策定された平成23年12月以降、女性の労災認定要因について、「セクハラを受けた」、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を...
相談者をお受けしていると、「犯人捜しされて、もっとひどい状況になるのが怖い」「自分が相談したとすぐにバレてしまう」という類のものが多くあります。相談した人が「犯人」と表現されてしまうのが現状です。 「犯人」とは、罪を犯した人、犯罪人のことです。相談することは犯罪ではありません。それなのに、相談者自身...
相談をお受けしていると、現状に対して「どうすればいいのかわからない」と訴える方、「どうして欲しいのかもわからない」と言う方がいらっしゃいます。このような訴えの時に必要なのは、「こうしたらいい」というアドバイスではなく、「一緒に考える」ことなのではないかと感じています。 人というのは、「一緒に考えてく...
今回は、「(元従業員の)自殺は会社の安全配慮義務違反によるもの」として遺族が会社に損害賠償を求めた事案を基に考察します。 会社の対策(「ハラスメント研修を行っていないこと」「メンタルヘルス研修を実施していたこと」)が司法判断に影響していることがわかります ① Sほか事件(東京地判平26・11・4)上...
相談者から、感謝の意を表する電話をいただきました。もう退職を決意されていた方です。ですが在職中の処遇について、どうしても納得がいかない、腑に落ちない、という訴えでした。その状況、お気持ちをしっかり受容し、会社に報告しました。その結果、、、会社には会社の方針もあります。 相談者の希望に沿う結果にはなり...
こんな相談がありました。泣き叫びながらの相談です。かれこれ2年越しの葛藤でした。相談者は、直属の上司によって業務上の支障を感じていて、そのことを上司の上司に相談しましたが、どうにもならず・・・そして、「もう辞めてやる!」と思い、相談窓口に泣きながら電話をしてきました。 その時、相談者が居た場所は、休...
「週刊新潮」が報じた、俳優の香川照之氏による女性への性加害。報道を受け、トヨタ自動車は、香川氏が出演するテレビCMの放送を見合わせ。さらに、「THE TIME,」(TBS)は香川氏の降板を発表しました。 行為の真相は定かではありませんが、報道が事実であると仮定するならば、職場でハラスメント事案が発生...
今回は、お勧めの「パワハラ研修資料」についてご紹介します。 それは厚生労働省が、ハラスメント対策の総合情報サイト「明るい職場応援団」の中で公表している「管理者向け研修資料」~職場のおけるパワーハラスメントを考える~(↓)です。 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp...
前回は、◆「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」にて いじめ嫌がらせの相談件数が、10年連続最多になっていること◆日本では、「自分が不快に感じたこと=ハラスメントである」 という本質を離れた認識が深く根付いている」こと、◆行政機関介入の前に当事者間の歩み寄りで事案を改善 していただきたいことと...
7月1日、厚生労働省が、「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。いじめ嫌がらせの相談件数は、8.6%増で10年連続最多になっています。(ちなみに東京都が公開した「令和3年度 労働情報相談センターでの労働相談・あっせん」の状況においても、職場でのいじめ・嫌がらせの相談件数が1位にな...