「時薬(ときぐすり)」
時薬(ときぐすり)とは、時が経つことが薬になるという意味です。似たような表現に「時間が解決する」があります。つまり、「時間の経過と共に困難や苦痛は薄れていく、時間が経てば何とかなる」という意味です。少し投げやりな印象もありますが、時薬の効果は日本以外でも認識されています。英語での表現は「Time will heal everything=時はすべてを癒してくれる」と、日本語よりも直接的です。悲しんでいる家族、落胆している友人、憂鬱な自分自身を元気づける時など、よく使われているようです。
過去を振り返ってみると、新しい仕事を覚えるのは苦痛だった、職場での人間関係も時には非常にストレスで、仕事上で失敗した時は絶望的だった…あれほどの苦痛、ストレス、絶望感が、いつのまにか時間の経過と共に薄れ、消え去っていた…このような経験をされた方も多いかと思います。
思い通りにいかない時、心が疲れている時、絶望から復活できない時、少しだけ自分への干渉をやめて、「時薬」が効くのを待ってみませんか。急いで答えを出さず、答えが現れてくれるのを待つ。2週間、1カ月、あるいは2ヶ月、期間を決めて自分自身の様子を見守りましょう。焦らず、冷静に、おおらかな気持で、目の前にある仕事にベストを尽くし、あとは時の流れを待っていると、時間が解決してくれるはずです。
時間の経過と共に困難、苦痛、絶望感が「薄れていく」、「消えていく」というのは、実際には「(時間の経過と共に)私たちは変わっていく」ということなのです。私たちは悲しい時、誰もがこの悲しみが一生続くように感じられるものです。しかし、今この瞬間の私たちの考え方や感じ方は永遠ではありません。時間と共に環境や状況が変われば、私たちの考え方や感じ方も変化します。ある日突然、仕事の要領を得る、職場の人間関係に変化が起きる、苛立ちを感じていた対象に興味がなくなるなどの変化は、意識的に自分が特別な事をするわけでもなく、時間の経過と共に、自然にそうなっていく現象なのです。時薬(ときぐすり)…安心と希望を与えてくれる薬です。


