「ちょっとした一言」が心の重りに・・・

職場で起こるハラスメントのきっかけは、なかなか気付きづらいものです。

その背景には「このくらい当然」、「やって当たり前」、「常識で考えたら」など、

心の中にある「~するべき」という『べき思考』が反射的に顔を出し、相手にも“同じように”要求してしまうことが、一つの要因として考えられます。

たとえば、上司から部下へ営業の指導をする場面で「さっきの言い方よりも、〇〇って言った方がいいよ!」と伝えた時、部下はどう感じるでしょうか。

受け取り方は様々ですが、「~言った方がいいよ!」という言葉を聞いた部下は、「教えてもらった」気持ちよりも先に、上からの圧力を感じて「自分を否定された(人格否定された)」と思い、自信を失ってしまう場合があります。

指導で伝えたはずの「ちょっとした一言」が、時には、心の重りになるかもしれないのです。

上司から部下への教育・指導で伝える言葉に『べき思考』が強く現れた場合、些細な行き違いから相手の“自己肯定感”を下げてしまうことがあります。

そうして徐々に仕事の生産性が下がり、退職へ至る…といった悪循環を起こしているケースも少なくありません。

このような場面では「さっきの伝え方、色々考えて準備したんだね。たとえば、〇〇って伝え方だったらどう思う?」と、相手(部下)の想いを尊重し、部下自身で工夫できる声かけをすると、信頼関係も築きやすくなるかもしれません。

業務上のコミュニケーションでは、ハラスメントを怖れて、慎重になってしまう部分もあるかと思います。

そんな時に視点を変えてみると、「ちょっとした一言」は、自分の中にある『べき思考』に気付く良いきっかけにもなりますね。

働きやすい職場環境をつくるために、お互いを思い合う温かな言葉かけを大切にしていきましょう。