職場で感じる孤独 (パート1)

ハラスメントの相談をお受けしていると、「孤独を感じている
のだな」と感じることが多々あります。そんな時、職場におい
て一番大切なのは「孤独な従業員を作らない」ことだと考えま
す。それは、職場の規模が少人数であればあるほど、パワハラ
対策のヒントになるのではないでしょうか。

従業員数100名未満の職場で勤務するAさんから相談がありま
した。Aさんは弱々しい口調で現状を話し始めました。
「先輩から『仕事しなくていいから死ね』と言われました。毎
日のように、『アホ』『クズ』と言われています。上司も同僚
も聞いていますが、見て見ぬふりです。私がこの窓口に相談し
たことを知られたら、皆、『面倒を起こしやがって』と私を責
めると思います」

Aさんの心の中は、先輩への恐怖、上司や同僚への不信感で占
められ、、、「孤立無援」だと感じているようでした。

じっくり話を聴くと、幸い、先輩の暴言を知らない人事担当者
がいて、相談の余地があると分かりました。人事担当者に相談
することを視野に入れてみてはどうかと問いかけたところ、
Aさんは「考えてみます」と言ってくれました。そして、相談
が終わるころにはしっかりした口調になっていました。

Aさんが相談員の問いかけを受け入れたのは、相談員と話すこ
とで孤独感が少し和らぎ、職場内で「孤立無援」ではないかも
しれない可能性を感じ取ることができたからだと思います。