「もっと早く相談すればよかった」(パート2)

その後も主任の言動は変わらず、、、主任補になった相談者は、本来、主任が行
うべき業務まで丸投げされていたそうです。「自分が主任の期待に応える仕事を
すれば、主任も変わってくれるだろう」、相談者はそう思い、主任の暴言に耐え
ながら頑張ってきました。周囲も、そんな相談者を心配し、様々なフォローをし
てくれたそうです。周囲の協力があって、なんとかやってこられた。

ところが、ある出来事をキッカケに、主任が大声で怒鳴りながら、そして威嚇す
るかのようにサイドキャビネやロッカーをバンバンバンバン叩きながら、相談
者の席に近寄ってきたそうです。相談者は身の危険を感じ、すぐにその場から逃
げました。恐怖のあまり、身体中が震えていたそうです。それ以降、相談者は出
社することが出来なくなりました。あの時の光景が浮かび、夜も眠れず食事もま
まならない、、、精神的に限界になってしまったのです。そして、窓口に相談し
てくれました。

「もっと早く相談すればよかった…」本当に、その通りです。ハラスメント被害
者が相談をためらうのも無理からぬことと思います。
自分さえ我慢すれば、、、周囲に迷惑になるから、、、様々な思いがよぎるので
しょう。ですが、ハラスメントは心に落とされる黒いインクのようなもの。
1滴ずつ落とされると、「まだ大丈夫」と思ってしまうかもしれません。それが
危ないのだと、私は感じます。気が付いた時には取り返しのつかないほど真っ黒
い染みになっているかもしれません。そうなる前に、、、

窓口への相談は勇気のいることかもしれませんが、決して「逃げ」ではありません。
自分の身を、心を、守る尊い行動だと、私は感じております。