一緒に働く人を「使える」と表現する人の特徴

 相談員としても、日常生活の中でも、一緒に働く人を「使える」という
言葉で表現する人に違和感を覚えることがあります。例えば
「今度の新人、コミュ力ないけどデータ入力は早いから使える」
「新しい上司、仕事は遅いけどクレーム対応がうまいから使える」という
発言です。これらの発言をする人には共通して「自分の話ばかりする」と
か「共感力が欠如している」という特徴があるようにも思います。

 先日、あるカウンセラーさんにこの「使える」と表現する人の特徴つい
て話していたところ、次のような見解を得ました。
「人に対して「使う」という言葉を使う人は、他人を自分の心を満たす
ための道具として見ている」

なるほど!道具として見ているから「使う」という言葉を使うのか、納得!

「だから他人にもその人なりの心があることを想像できなくて、自分の話
ばかりするし共感力も低い。一方で、能力は高く、昇進が早かったり経営
者として成功していたりという特徴もあわせもっている」

確かにこれまでに遭遇した「使える」と表現する人たちは、それなりに立
場のある人だったようにも思います

 職場のハラスメント事案についても、明らかなNG行動があれば会社とし
て対策を講じざるを得ませんが、これら、「使える」と表現する人たちが明
らかなNG行動を起こすことはほとんどありません。多くは日々の中で周囲
に、いつもずっと少し不快な思いをさせているにすぎないのです。
そして周囲は、日々をモヤモヤとした気分で過ごし、その人と信頼関係を築
くことできないことに悩みを抱くようになります。
では一体どのように接していけばいいのでしょうか。

「なるべく距離をとるしかない」それがカウンセラーさんの見解でした。
関係性を持たざるを得ない間は、少し大人になってうまくやっていく、い
ずれ何かしらのタイミングで離れる時がきたらそれ以降、関わり合わなけ
ればいいということらしいです。

「他人を自分の心を満たすための『道具』として見ている人」・・・、周囲が
大人になって接してくれているおかげで、本人はなんら困ることなく日々
を過ごすこととなりますが、仕事上での関係が終われば誰とも『人』とし
ての関係を維持することができない、実はとても寂しい人なのかもしれま
せん。