「アルハラ」…宴席の場で気を付けたいこと

年末年始のハラスメント相談窓口には、職場の飲み会でのハラ
スメントについての相談が多くなるものです。
・飲み会の参加を断ったら「協調性がない」と怒られた
・評価にひびくので、強制参加になっている
・失礼なことを言われたのに『酒の席だから』と軽く流された
等々・・・、悲痛な声をお聴きします。

特定非営利活動法人ASKイッキ飲み防止連絡協議会では、
以下の5項目を主要なアルコールハラスメントとして定めて
います。
① 飲酒の強要
上下関係などにより飲酒を強要したり、罰ゲームなどといっ
て心理的圧迫により飲まざるを得ない雰囲気に持ち込むこと
② イッキ飲ませ
飲み会の場を盛り上がらせるために、「一気!一気!」など
とコールをかけたり、早飲みを競わせるゲームをさせたりす
ること
③ 意図的な酔いつぶし
親睦を深めることやコミュニケーションを目的とした飲み
会ではなく、初めから泥酔させることを目的とした飲み会
を開催すること
④ 飲めない人への配慮を欠くこと
本人の体質や体調などに配慮せずに、お酒に強い人と同
様の飲酒をすすめること
⑤ 酔ったうえでの迷惑行為
酔った勢いで暴言をはいたりセクハラをしたりすること

アルコールハラスメントそのものを取り締まる明確な法
律はありませんが、場合によっては刑事責任にまで発展
する可能性があります。
◆ お酒を無理やり強要することは強要罪
◆お酒を強要して部下が酔い潰れた場合には傷害罪、等
また、刑事だけでなく民事責任を問われる可能性もあり、
従業員の離職のきっかけや訴訟の原因になることもあり
得ます。そしてそれは、企業イメージの低下を招くでし
ょう。

新年会もひと段落ついた頃だと思いますが、今度は年
度変わりに伴う歓送迎会など、宴席が増える時季がや
ってきます。コミュニケーションの場として設定した
はずの宴席なのに、ハラスメントが行われてしまって
は言語道断です。また、お酒に対する考え方は、人そ
れぞれです。良かれと思ってやったことが、別の人に
とっては、大きな苦痛になることもあるでしょう。
自分基準で考えていては、「ハラスメントだ」と言わ
れることもあるかもしれません。参加した人全員が
コミュニケーションを楽しめる場とするためには、
社内での酒の場におけるルール作り、アルハラにつ
いての社内研修等が必要かもしれません。
まずは、何がアルコールハラスメントに該当するの
か、事前に確認してみてはいかがでしょうか。