会社制度が引き起こすジレンマ (パート1)

ハラスメント相談窓口には、会社の制度に関連した相談が寄せ
られることもあります。本来、従業員のための望ましい制度な
のに、その制度によって負の感情が生み出されてしまう・・・、
といった事態がしばしば起きているように感じます。
なぜそのような事態が起きてしまうのでしょう・・・。

ここ数年、働きやすい環境を目指して、さまざまな制度や施策
が取り入れられるようになりました。残業を減らす取り組み、
ハラスメント防止対策、育児や介護をしながら働ける環境整
備、高年齢者の雇用安定、等々・・・。

ただ、「制度はあっても、現場の配慮がない」ということもあ
るのではないでしょうか。
「残業するなと言われるが、業務量は減らない」
「時短勤務中なのに、指示される業務量はフルタイム勤務者
と同じ」
「ハラスメント研修が形骸化している」と
いった声をたびたびお聞きします。

制度や施策の導入にあたっては、それに伴って現場でどのよう
な配慮が必要かを考えることが肝要だと感じます。制度利用に
ついて全従業員の認識がズレないようすり合わせておく。
そこが不十分なままだと、誰かの負担が増えたり、嫌な思いを
する人が出てきたりするのではないでしょうか。