部下に対する不満が多い会社

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は
動かじ」という有名な言葉があります。山本五十六の言葉でこの
後に、「話し合い、耳を傾け、承認し任せてやらねば人は育たず」
と続きます。この言葉は人材育成の本質を伝えている素晴らしい
言葉だと思います。

 実際、従業員の皆様からの相談対応の中でも、「この言葉通り
かもしれない」と感じることが度々あります。
「頑張って仕事をしても、できた時には一切のフィードバックが
ないのに、できていないときには指摘ばかりされる。業務上必要
な指導はハラスメントではないことはわかるが、どんなに頑張っ
て業績に貢献しても誰にも認められることがなければ、自分がな
んのために働いているのか分からなくなる」というものです。
 
一方、管理者自らが会社にとって貢献する行動を明確に示してい
る。そしてやらせっぱなしにはせずできたら大いに褒めて成功体
験を積ませている。会社が求めることをやればちゃんと素敵なフ
ィードバックがもらえることが、働く側にも伝わっている、この
ような職場環境では、上記のような悩みが生じることはなく、
主体的に行動する従業員が増えていきます。

「うちは自立して動く人がいない」と嘆くばかりで、部下がきち
んとやったことを褒めもせず、承認する態度も見せない。
せっかく頑張っても行動しても上司は見てくれないし誰からも何
も言われない。このような経営者、管理者の下では部下のモチベ
ーションはどんどん下がり、小さな事業場では離職に繋がること
も少なくありません。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人
は動かじ」部下の行動を嘆く前にまずはこの言葉通りに実践して
みてはいかがでしょうか。